2010年くらいから不動産投資や
住宅展示場などで見かけるように
なったので知っている人もいるだろう。
2,3年前からハウスメーカー(住宅建設会社)
が本格的に力を入れ始めた。
いまや住宅展示場にいって、
「賃貸併用住宅」ののろしが
上がっていない展示場は
皆無だといってもよい。
賃貸併用住宅とは何か?
その名の通り、
自分(オーナー)の住居の一部を
賃貸に貸し出しましょう
という住宅のこと。
例えば、
「結婚して、子供もそこそこ大きくなったし、そろそろ家でも買うか~」
と住宅を購入するとする。
通常、会社員の方であれば、頭金の大小によらず、
住宅ローンを組むことになります。
おおよそ毎月の住宅ローン返済額
は、収入の約20%と言われています。
子供が小さいうちは教育費など
考えなくても、大きくなるにつれ、
年々教育費が増え家計を圧迫します。
また、教育費や家庭への生活費など
でいっぱい一杯になり、お父さんは、
いつも500円ランチで我慢したり・・・
せっかくの休みにゴルフに誘われても
お金がなくて行けないなんてことにも
なります。
さらに、日本の経済状況を鑑みると、
いま働き盛りの方の
年金受給額は減るいっぽう。
国に頼らず私的年金として
貯蓄をする必要性が切実に求められます。
「あ~、住宅ローンさえなければ!!!」
と言った時の救いの手が
賃貸併用住宅なのです。
賃貸併用住宅が増えてきた背景
なぜ賃貸併用住宅がこんなにも
増えてきたのでしょうか?
ひと言でいうと、
もともとバブル期から1990年代
後半までは、住宅購入時には
頭金2割
が常識とされていました。
自己資金:2割
銀行融資:8割
で家を買うのが当たり前だったのです。
その後、2000年前後くらいから、
バブル期のように法人が不動産を
ガンガン買ってくれない。
そのため、個人にも不動産の
取得を促そうという狙いで、
自己資金:1割
銀行融資:9割
で個人が住宅を購入することが
一般的になりました。
その後2000年以降は、
平均年収などが下がり続け、
個人がなかなか貯蓄がたまらない。
そのため、
自己資金:0割
銀行融資:10割
という、フルローンで
個人が住宅を購入することが
可能になったのです。
最近では、オーバーローンといって、
住宅購入価格だけでなく、不動産取得
に関わる諸費用までも住宅ローンに
包括して含まれるまでになりました。
このように、個人への銀行融資は
非常に追い風なのです。
メリットはキャッシュが増えること
何と言っても住宅ローン返済負担額
を減らせるのが最大のメリットです
なら毎月プラスのキャッシュフロー
が入ってきます。
住宅ローン返済額 > 家賃収入
の場合でも、キャッシュフローは
プラスにはなりませんが、
住宅ローンの返済負担額が減るのは
めちゃくちゃ助かります。
例えば、都内に5000万円の
新築マンションを購入した場合
借入金:5000万円
返済年数:35年
金利(変動):1%
という前提条件の場合、おおよそ
毎月の住宅ローン返済額は、
約15万円です。
家賃収入が5万円でもあった場合、
住宅ローン返済額が10万円になります。
5万円返済負担が減るとだいぶ楽に
なると思いませんか?
5万円の返済分を貯金に回すことも
できますし、
たまには、ご家族で旅行やおいしいものを
食べに行く余裕も生まれる。
そのように余暇を楽しむ余裕ができると、
QOL(クオリティオブライフ)は
確実に向上しますね。
住宅ローン控除も使える
出典:住宅ローン減税で失敗しないために家づくりのお役立ち情報満載「家づくりの知恵袋」
通常、住宅ローン控除が
使えるのは居住用不動産だけ。
投資目的の不動産に対しては
住宅ローン控除は使えない
しかし、賃貸併用住宅は
住宅ローン控除が使えます
なぜなら、1つの建物の中に
居住用スペースもあるためです。
ただし、住宅ローン控除を受けるためには、
条件があります。
その条件とは、賃貸併用住宅の
建物全体の延床面積のうち、
1/2以上に相当する部分が
自宅であること。
詳細や、税理士さんに相談したり、
国税庁のホームページを参照
ください
賃貸併用住宅のルーツ
出典:「ドラえもん」のジャイアンの母ちゃんから学ぼう、叱り方!
ドラえもんでジャイアンが
「たけし!また店番サボって!さっさと配達いってきな!」
とジャイアンの母に怒られる場面があります。
あまり意識していない人も多いでしょうが、
ジャイアンは剛田商店という雑貨屋さん。
1Fが雑貨屋さんで
2Fがジャイアンファミリーが
暮らしている
このような昔ながらの
1Fで八百屋や魚屋など商売を営み
2Fに住んでいる家を
店舗併用住宅
と言います。
賃貸併用住宅も店舗併用住宅
から派生したものだといわれていますね。
賃貸併用住宅のデメリット
最後にデメリットを
あげておきましょう。
基本、賃貸併用住宅は
木造での建設が前提です。
RCや鉄筋にすると
建設費用が高くつくためです。
そして、木造なので寒暖に弱く、
光熱費がかかる可能性も
考慮してください。
また、木造なので隣の人の
声など気になる場合もあるでしょう。
他にも、不動産業者から、
投資シミュレーションなどと
称してハッピーシナリオを
渡されると思いますが、
決して信用しないでください。
例えば、1棟6戸を賃貸に
出したとしても、満室想定
で収支シミュレーションしては
危険すぎます。
必ず年間の空室率などを考慮し、
稼働率を計算するようにしましょう。
まとめ
・賃貸併用住宅とは、オーナーの住居の一部を賃貸に貸し出すこと
・昔に比べて個人で銀行融資うけやすいのは追い風
・住宅ローンの負担額が減るのが最大のメリット
・住宅ローン控除も使える
・収支シミュレーションでは満室想定で計算しないこと
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