今年の1月29日、日銀は金融政策決定会合で、日本ではじめてのマイナス金利を導入した。
3年程前からつづく「異次元」の大規模金融緩和でデフレ脱却を目指す日銀の戦略の一つなのだが、いまだに経済成長の上昇の兆しはあまり見えないという報道が多い。
ここでは、日本の経済成長の停滞と日本の人口の関連、今後の私たちはどうしたらよいかについてまとめてみた。
まずは、ハーバード大学のデービットブルーム氏が10年前から提唱している、人口ボーナスという理論に基づいて考えてみよう。
人口ボーナスとは何か?
子どもと高齢者の数に比べて、働く世代(生産年齢人口:15~64歳)の割合が増えていくことによって経済成長が後押しされる状態。
ある社会が「多産多死」の社会から「少産少子」の社会に切り替わる際に起きる。
人口オーナスとは何か?
子どもと高齢者の数に比べて、働く世代(生産年齢人口:15~64歳)の割合が減っていくことによって経済成長にマイナスの影響を与える状態。
人口ボーナス、人工オーナスの例
出典:出所)総務省「国勢調査」及び「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口
この例でいうと、
1990年の人口ピラミッドが、人口ボーナス期。20~64歳の働く世代が全人口の61%を占めている。
それ以降は、人口オーナス期。20~64歳の働く世代がどんどん減少している。
人口ボーナスが著しいアジアの国々
日本では人口ボーナス期は終わってしまったが、海外に目を向けると、人口ボーナス期の国々はたくさんある。
特に、人口ボーナス著しいのはアジアの国々だ。
現在の、中国、韓国、シンガポール、タイなど。
中国は2010年代で人口ボーナス期は終わると言われているが、インドに至っては2040年まで人口ボーナスが続くと言われている。
人口オーナス期の日本はどのように働くとよいか?
日本は、主要国で最も少子高齢化の進行が早く、人口ボーナスは1990年代に終わり、人口オーナス入りした。
一度、人口ボーナスが終わると、二度と人口ボーナス期が来ない。
このような日本で今後私たちはどのように生き、働いていけばよいのだろうか?
株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長 小室淑恵氏は以下のように提言している。
小室氏はあくまで「女性のための」というポジションで提言しているため「現在の日本で、女性が仕事と育児・家事を両立するために必要なことは何か?」という前提で考えるとよい。
人口オーナスの日本は、20~64歳の働く世代が少ないのは事実。そのため、男性だけでなく、女性も労働力として、社会に参画してもらうというのは妥当だと思う。特に、筋力を使う重労働な仕事以外であれば、男女差はあまり考えなくてもよいだろう。
また、短時間で働くというのも賛成だ。
物理的に時間を短縮するのが困難な作業はあれど、デスクワークではやり方を工夫すれば工夫すればするほど、短時間で高い成果を上げることだできると思う。
「仕事に人生をささげる」という人はそうそう多くないため、独身・既婚、男性・女性を問わず短時間で働き、仕事が終わったら、趣味や飲み会や家族などと大事なことに時間を使った方が精神衛生もよだろう。また、会社にいる時間が短くなれば、消費活動もいくらか活発になるハズ。
多種多様な人材をそろえるのもよいと思う。
1つの組織に同じような人種、価値観を持った人が集まっていると、新しい発想やアイデアがでにくい。どうしても現行踏襲型の企画になりがちだ。
現在の組織にブレークスルーをもたらすためにも、多種多様な人材をそろえた方がよいだろう。
また私個人の意見を言わせてもらうと、日本が人口オーナスで経済が停滞しているなら、人口ボーナスで経済成長している国に移住するのも1つの手段だと思う。
もちろん、海外移住となると家族の理解や、言語や文化の壁など様々なチャレンジが待っているが、一つ一つ乗り越えていくことであなたの付加価値も増す。
もし現状に満足せず、新しい世界に踏み出したいという向上心のある人は選択肢の1つとして真剣に検討することをオススメする。
まとめ
・人口ボーナスとは、子どもと高齢者の数に比べて、働く世代が多く経済成長している状態
・人口オーナスとは、子どもと高齢者の数に比べて、働く世代が少なく、経済停滞もしくはマイナス成長している状態
・日本の人口ボーナス期は、1990年代で終わった。
・現在、人口ボーナス期の国は、中国、韓国、シンガポール、タイなど
・人口オーナス期の日本は、男女とも短時間労働で働き、多種多様な人材を用意するとよい
・人口ボーナス期の国々に、移住するのも検討するとよい
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