突然だが、コールセンターの仕事に、どんなイメージを持っているだろう?
椅子に座って電話応対しているだけで給料もらえるし、
安いところでも時給1000円以上あるのが普通。
特別なスキルがなくて、未経験でも大歓迎されるし、
マニュアルを基本として電話応対しているうちに、敬語や言葉遣いなどコミニュケーション能力もつきそう。
お客さんと対面するわけではないため、基本的には服装や髪形が自由。
と、いろんなメリットが思いつくだろうが、実際にコールセンター業務を経験している人から言わせると、そんなに楽じゃない。
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仕事がとにかく大変
コールセンターで働いた経験のある人は「とにかく仕事が大変」「ストレスになる」という人が多いらしい。
精神的にキツい
出典:Call-Centre Stress Management
コールセンターの仕事は大まかに受信(インバウンド)と発信(アウトバウンド)に分かれる。
受信(インバウンド)と発信(アウトバウンド)の違い
発信は、コールセンターからお客さんに電話をかける。
受信は、お客さんからコールセンターにかかってきた電話を受ける。
発信(アウトバウンド)
発信は、電話帳や顧客リストを見ながら「セールス」電話をひたすらかける作業。
ネット回線や案内だったりと、お客さん相手にセールスするので、電話をかけても「ガチャ」と即切りされたり、いきなり「セールスなんていらねーよ!」と怒り出すお客さんもいたり、まともに話を聞いてくれる人は少ない。
話を聞いてくれるお客さんだとしても、契約してくれるかは別問題。
取り扱い商品やセールススキルにもよるが、100人に電話をかけて契約獲得できるのは2,3人ということが多いそう。
慣れるまではなかなか契約獲得に至ることも少ないため、数百件電話をかけても契約ゼロで、上司から怒られることもある。
結果がなかなかでない人ほど、電話をかけてもかけても、契約どころか話を聞いてもらえないので精神的にキツくなり辞めてしまう人が多いとか。
さらに、1日に電話をかける件数や契約件数で月間ノルマがあったりするところは、精神的なプレッシャーは相当なものだろう。
逆に、契約件数が多いと、コールセンターによってはインセンティブがついたり、完全出来高制のところもあるので、スキルがあれば報酬は青天井だ。
受信(インバウンド)
受信は、お客さんが目的をもって通信販売の注文や、料金や支払いの確認など明確な目的をもってかけてくる。
そのため、発信(アウトバウンド)のように、電話を即切りされたり、100人かけても誰も話を聞いてもらえないということはない。
受信で一番ラクなのが、通信販売の受注だそう。
お客さんの住所や氏名などの個人情報は聞き間違いのないように注意して聞く必要があるが、基本的には注文を受け付けるだけなので、特にトラブルは多くない。
しかし、料金や支払いの問い合わせや、故障関連の受付は大変!
お客さんの意図を正確にくみ取り、的確な情報を伝えていく必要があるし、故障関連の場合は、クレームであることがほとんど。
めちゃめちゃ怒っているお客さんもいたり、毎日毎日クレーム対応で怒られ、うつ病になって辞めていくオペレーターもいるとか。
筆者が調べると、コールセンターでのクレーム対応としてこんなユニークな解決策があった。
出典:コールセンターあるある
使うときは、あくまで個人責任でやってくださいね。(電話応対を録音や上司がリアルタイムで監視していたりすることもあるため)
研修についていけない
受信(インバウンド)であれ、発信(アウトバウンド)であれ、そのコールセンターで取り扱っている商品知識や手続きやFAQ(よくある質問)など覚えることは膨大だ。
そのため、知識を研修で詰め込む段階で、「量が多くてついていけない」と思って辞めてしまう人が多いそう。
研修期間中は、座学が中心でとにかく詰め込み式。
講師の方は非常に熱心なのだが、新入社員の理解度にかかわらず、次から次へと授業が進んでいくので、コールセンター未経験の人にとっては非常にツラいそう。
ついていこうと授業中に必死にメモをとるが、はじめて聞く専門用語や商品の複雑さで、いっぱいいっぱい。
資料やマニュアルの持ち出しは原則禁止なため、自宅に持ち帰って復習や整理をすることもできない。
早めに出社して復習を行っても、前日までの授業の理解が追いつかず、また新しい知識が詰め込まれていくので思考回路がフリーズになるとか。
こんな状態で、授業中にロープレをやってもまともに電話応対デキる筈もないので、講師にダメ出しされてばかり。
ロールプレイング。お客さん役とオペレーター役で実践電話応対練習をやること
こんな状態に我慢できず、研修中に早くも辞めていく人が続出するそうだ。
また、コールセンターは人の入れ替わりが激しく、常に人手不足なので仕方がないのだろうが、、ほどんど研修をせずにいきなり実践・丸投げする会社もあるそう。
腰痛や肩こりなどデスクワーカーの宿命!
勤務時間にもよるが、ずっと座っているだけというのは結構キツい。
腰痛や肩こり、腱鞘炎などデスクワーカーと同じような症状を訴える人も多い。
持病のある方や症状がひどい場合は、後述するように気軽に休憩はとれないため、自席でこまめにストレッチなどケアが必要かもしれない。
休憩が自由にとりにくい
出典:Why so tired on Mondays? Survey says: “Social jet lag”
だいたいのコールセンター業務で、8時間勤務の場合は、お昼休憩1時間に加えて、10~15分の小休止を1日1~2回とることが義務付けられていることが多い。
ただ、会社によっては
「休憩時間は昼の時間のみ」
「決められた休憩時間以外はトイレやタバコも禁止」
など厳格なルールが設けられていることも。
コールセンターという業務の特質上、必ず誰かは電話番として残らなければならないため、休憩できる人数が決められている場合が多いのは納得できるが、タバコはともかく、トイレは生理現象などもあるので正直キツいと思う。
もちろん体調不良時とかは、上司の許可を取って休憩することは可能だろうが、それでも気軽に休憩するのは難しそうだ。
最後に
未経験の人からすると、「椅子に座って、お客さんと直接顔をあわせることなく、電話応対するだけ」と魅力的にうつるコールセンター業務。
しかし、実態は給料はよくても、クレーム対応で、精神的にキツかったり、商品知識が膨大で覚えるのが大変だったり、デスクワーカー特有の肩こり腰痛など苦労はたくさんある。
これからコールセンターにチャレンジしようという人は良く考えた上で応募してみるとよい。
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