最新のファッションにいち早く触れることができるし、新作も試着できたり、取り扱いブランド商品なら人気商品でも従業員割引で安く服を買うことができたりと魅力的にうつる。
また接客を通じて、目まぐるしく変わるファッション業界のトレンドを抑えつつ、お客さんからニーズを引き出し、わかりやすく説明することを通じてコミニュケーション能力がとても高くなる。
洋服のコーディネートやディスプレイを作る過程で、着こなしやTPOに合わせた洋服の選び方が身に着く。
このように魅力的にうつるアパレル販売員の仕事だが見た目の華やかさとは裏腹にとても実態は厳しいという。
仕事がとにかく大変
アパレル業界で働いている人は「とにかく仕事が大変だ」という。
拘束時間が長い
「どこのショップも11:00~開店だから朝はゆっくりできていいな」と思う人もいるだろうが、朝も開店準備のために早くからショップに行く必要がある。
営業開始前には、掃除や商品の搬入や陳列などを行うため、開店時間よりも1時間以上前に出勤するなんて人もザラだ。
また営業終了後もレジを締めたり、売り上げ日報を書き、本社に報告したり、翌日からの営業準備のため、掃除や服のたたみなどを行う。
セール前などは1か月くらい前から商品搬入量が増えたり、セール時の店内レイアウトやPOPを考えたり、セール期間中は営業時間を拡大することもあるので、もうてんやわんやのパニック状態。
お店によっては、自宅に帰ってからも、お店のブログを更新する作業などがあり、1日中仕事ばかりしていることに。
エリアマネージャーをやっている方のブログを見ると、朝9時過ぎから深夜3時くらいまで働いているそう…
売上ノルマの達成
出典:What Do You Do When Your Assigned Sales Quota Is Not Achievable?
アルバイトではなく、契約社員や正社員になると個人個人で「ノルマ」を課せられることが多い
もし個人としてノルマを設定されていなくても、店舗には必ず売上目標があるため、常に数字を意識して仕事をしなければならない。
営業職のように、自分からお客さんに電話をかけてアポをとって訪問できるわけではなく、お客さんが店舗に来てくれないことには始まらない。
そしてやっと来てくれたお客さんを、同僚や先輩から奪い取って、売り上げを上げる 笑
ライバルからお客さんを奪って、自分の売り上げをあげることに躊躇するようではやっていけない、厳しい業界なのだ。
個人ごとに売上成績が貼り出されるなんて会社もあるので、精神的に参ってしまう人が多いのもうなづける。
1日中立ち仕事で疲れる
出典:polyvore.com
基本的に、休憩時間を除けば1日中立ち仕事。
足がむくんだり、筋肉がパンパンに張ってしまって、つりそうになって、仕事が終わる頃にはクッタクタ。
足の裏にタコができるなんてザラで、女性で長時間慣れないヒールを履いてたりすると、足の指が圧迫され、形が変わってしまうこともあるらしい。
立っているだけでなく、バックヤード(店舗の裏側)では、商品を搬入するときに段ボールを運んだり、洋服を1つ1つ検品したり、店舗内ではお客さんが手に取った洋服を、その都度きちんとたたみなおしたり、声を出して接客したりと、かなり体力を消耗する仕事だ。
体調が悪くても、お客さんの前では体調の悪さを悟られてはいけない。常にお客さんに見られている意識が必要だ。
お客さんの前では、元気に笑顔で接客する必要があるし、良い姿勢で立っていたり、店内を適度に動き回り、タイミングを見計らってお客さんに声をかけて接客する。
体力や、お客さんと接するときなどは真剣に会話を聞いてニーズを把握したりと、集中力や頭を使う仕事でもあるので、体調管理には最善の注意を払う必要がある。
見た目以上に1日8時間立ち仕事というのはハードなので、体力的に自信のない人や腰痛持ちの人はパートタイム・アルバイトなどで1日4時間などの時短勤務から様子見ではじめるのがいいかもしれない。
給料やキャリアアップ
出典:Use A Precise Number When Negotiating Your Salary
一般的に、アパレル業界は最初の研修期間は、時給800円~1000円程度の勤務が3カ月~6カ月続いたりする。
正社員になったとしても平均年収は200~300万超といったところなので、給料がよいとは言えない。
店長やエリアマネージャーなどに昇格すれば、これ以上の収入は望めるが、なれる人はほんの一握りで、かつそのポジションにつけば販売員時代よりも拘束時間は長く激務になる。
ボーナスがないのは当然、サービス残業が当たり前で、自宅に帰ってから事務作業やブログの更新をすることもあるらしい。
休日出勤も多く、展示会やイベントごと(セールなど)、営業会議などでせっかっくの休みが潰れてしまうこともあるそうだ。
洋服への購入代
また、それだけ残業や休日出勤させられたあげく、安月給のなかから自腹をきって自社ブランドの洋服を購入しなければならない。
従業員割引で、自社ブランドの服は割引で購入はできる(最大で50%OFFなどもあるらしい)が、毎日同じようなコーディネートを着まわすわけにはいかず、新作が出るたびに新しい洋服を購入したりしなければならないそう。
自社ブランドが大好きでアパレルの販売員をやっている人や、実家暮らしで生活費に余裕がある人は、大好きな服をバンバン購入できたまらない環境かもしれない。
しかし、なかには「自社ブランドの服を着ると仕事を連想する。なので、休日はいっさい自社ブランドの服は着ない」という人もいる。こういった人にとっては、自社ブランドの服=制服のようなイメージなんだろう。
また、1人暮らしの人にとっては、自分の収入から、家賃やその他生活費に加え、洋服の購入代が毎月数万円となるとかなりの負担になる。とても遊ぶためのお金の余裕がないという人が多い。
洋服以外にも、常にお客さんから見られているため、ヘアスタイルも清潔感を保つことはもちろん、適度なヘアアレンジをしておしゃれする必要がある。
最後に
ファッション業界に就職する場合は、上記のデメリットも考慮した上で、「それでも洋服が好きだから」と思える人が向いている。
好きな仕事でないと、低賃金の長時間労働は本当にツラい。
なかなか踏ん切りがつかないなら、まずはアルバイトでアパレル販売職を経験して、実体験を積んでから正社員への道を考えても遅くはないと思う。
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