上映開始(2016/7/29~)から1カ月以上経過した「シンゴジラ」
ティーザー(teaser:じらす)やトレーラー(trailer:牽引する)などの予告編はショボいとネットでは叩かれていたにも関わらず、バズ(口コミ)りまくりでい今だ人気が衰えていない。
1カ月で観客動員数:328万人、興業収入:47億超という大ヒットとなった、シンゴジラの魅力についてネタバレしない範囲でまとめてみた。
ストーリー性は鉄板パターン
基本は、従来までのゴジラシリーズと同じく、災害対策、危機管理シミュレーション映画。
ゴジラが日本に上陸して、日本政府や自衛隊が対応を協議し、やっつけるという鉄板パターンで新規性は特にない。
ただ、全体的にスピード感は意識している作りになっている。
ゴジラシリーズ初期の昭和のゴジラ映画に比べれば、「間」が少なく、スピーディーに展開される。
定番のゴジラソングも現代風にアレンジして、テンポよく仕上がっており、日本映画にしては無駄がなく軽快なつくりで、全体的にアニメのような印象を受けた。
やはりエヴァンゲリオンシリーズの監督:庵野秀明(あんのひであき)氏が手掛けているので、30代以降の昭和ゴジラファンだけでなく、旧ゴジラシリーズに馴染みがない10代~20代の若い世代にも受け入れられるように、演出などを工夫しているのだろう。
登場人物も超豪華
登場人物も、長谷川博己、竹野内豊、石原さとみを筆頭に、今をときめく豪華俳優が総勢300人以上集めているのにはビックリ。
なぜなら、旧ゴジラシリーズは第一線の俳優を起用することは少なかったためだ。
これも庵野監督の案なのだろうか。長谷川博己、石原さとみなどは若い世代から絶大な支持を集めているため、起用すれば10代~20代のファン層が注目してくれると読んでのことだと思う。
そして登場人物が豪華なだけでなくセリフなどにも徹底的にこだわったそう。
「ゴジラ」という架空の生き物以外は、すべてがリアルに再現していると、エグゼクティブプロデューサーの山内章弘さんは自信を持って語っている。
庵野監督は、自衛隊の隊員が発言する言葉1つとっても、実際にその言い回しや語彙を本物の自衛隊で使用されているかについて徹底的にこだわったそう。
自衛隊以外にも日本政府の危機対策の様子をリアルに描写するため、政府各省庁に綿密なリサーチを行っている。
有名どころでは、元防衛大臣、現東京都知事の小池百合子氏、元内閣官房長官の枝野幸男氏などにインタビューをしたということで、かなりの気合の入れようだ。
さらに情報量(台本の多さ・厚さ)が多いとも言われており、旧来のゴジラシリーズの1.6倍の厚みがあるそう。
出演した俳優さんなども口をそろえて「活字が膨大な量だった」「早口でしゃべらなかったらカットされると思っていた」と言う。
確かに映画を見ていても、俳優さんたちは早口でまくしたてるようにしゃべっていた感はある。
しかし、聞き取りずらいということはなく、ネイティブな日本人なら普通に聞き取れる速さだったので安心してほしい。
庵野監督には脱帽!戦略的マーケティング
まずは以下の「シンゴジラ」予告編を見てほしい。
パッと見ショボくないだろうか?
ハリウッド映画では、予告編はハイライト・シーンをつなぎあわせて、本編よりも面白く演出している場合がある。
それに比べると正直、手抜き感は否めなく、ゴジラが口から放射能を吐いて、ビル群を破壊していく怪獣映画の定番シーンもカットされているのに「何で?」と疑問を持った人も多かったのではなかろうか。
豪華な俳優陣だけがクローズアップされ、いかにも「キャストにお金かけてます。どうだ」的な印象を受けてしまった。
おまけに、この予告編以外はほぼ宣伝PR活動は行わず、先行試写会も関係者のみに限定していたため、公開前はメディアにもほとんど取り上げられず、ネットで2ちゃんネラーから叩かれまくっていた 笑
昨年2015年12月に公開されたSTARWARSエピソード7では、ガンガン広告費を使ってド派手にプロモーションを打っていたのに比べると何とも貧相でやる気のないマーケティングだと言える。
しかし、この殿様マーケティングこそが庵野監督の狙いだったよう。
わざとシンゴジラの期待値(ハードル)を下げ、本編を見たゴジラファンからバズ(口コミ)らせる戦略だったようだ。
結果的には、まさに庵野監督の狙い通りの展開になった。
7/29(金)の公開から2~3日はコアなゴジラファンやエヴァファンなど一部のファン層しか動員できず、映画館に空席が目立つようだった。
しかし、その一部ファンからSNSを通して拡散、バズりまくったことで、報道メディアなども大きく取り上げ、大ヒットになったのだ。
ゴジラという日本人に知名度が高いキーワード+今回の映画のクオリティに自信があったからこそ、こんな強気なマーケティングができたのだと思う。
これがオリジナルの怪獣映画だったら、誰も身に行かず、誰もSNSで拡散しなかったら目も当てられないので。
ゴジラの動きは野村萬斎氏の動きを模倣
シンゴジラの映像制作での話題は、狂言師の野村萬斎(のむらまんさい)さんが、シンゴジラの動きを演じていることだ。
どういうことかというと、シンゴジラは着ぐるみではなくフルCGで作成されている。
そのフルCGで動くシンゴジラは、モーションキャプチャーとう技術で、野村萬斎さんが狂言や能でする動きをパクったもの
モーションキャプチャー
現実の人物や物体の動きを、デジタル的に記録すること。
映像やゲーム、PVなどの映像制作において、
CG作られるキャラクタの動きを、人間らしく再現する。
野村萬斎さんいわく「チョロチョロ動くより どっしり動いた」とこだわりを明かし、「実際にはゴジラの面もつけまして、顎を動かす面の使い方を意識した」なのだそう。
ユーザー視点で「体感型シアター」の種類を選ぶ
シンゴジラは、IMAX、4DX、MX4Dのどれで見るのがよいのだろうか?
IMAXだと通常料金+600円
4DXだと、+1000円(3Dは1300円)
MX4Dだと、+1200円(3Dは1500円)
と少々値が張るし、見れる映画館も住まいの近くにはないかもしれない。
IMAX
とにかくスクリーンがデカい!通常のフィルムより大きなサイズを使用している。
スクリーンに合わせて音響設備も最高クラス。
正面の前列に座ると、映画の世界の中に入り込んだ気分を味わえる。
4DX
視覚と聴覚以外に嗅覚や触覚と合わせて4つの五感を刺激する。
シートが上下左右に動いたり、風が吹いたり、水しぶきがあがったり、香りがしたり。
MX4D
4DXのグレードアップ版。
シートが上下左右に動くのに加え突き上げらたり、首・背中・足元への感触、地響きや突風など。
本格的に映画の世界へのめり込みたい人にはオススメだ。
ユーザー評価を見てみると、やはり金銭的に余裕があったら、MX4Dが圧倒的にオススメだそう。
ゴジラが日本に上陸するシーンは、リアルに地響きが鳴り響き、シートが上下左右+突き上げられる感が、地震の縦揺れのようで最高級にリアルだそう。
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