一般に、デスクワーク職の人は、1日8時間近くもイスに座り、パソコンや書類に向かっている。
そして、1日8時間座り続ける生活が何年も続く。
今回は、デスクワーク職の人が悩まされる腰痛対策について。
人間の体は座ることに適していない
もともと人間の体は座ることに適した構造をしていない。
例えば、立っているときの腰の負担を100としたら、座っているときは、150~170も腰に負担がかかっている。
なぜなら、上半身を支える力が、立っているときは、太ももや下肢など複数の関節に分散されるが、座っていると、上半身を支える力が集中して腰にかかってしまうためである。
出典:院長の独り言
そのため、1日8時間座りっぱなしのデスクワークが続くと、人間の腰は壊れてしまう。
出典:サワイ健康推進課
このように腰の負担が一番大きいのは「座る」こと。
パソコンや書類をのぞきこもうと猫背になると「座って前傾」となり腰への負担が最大に重くなる。
もっとも腰の負担が軽いのは、「仰向けに寝る」ことなのだが、まさか寝たまま書類やパソコンの操作もできない。
姿勢よくしようとしても、細かい文字を見るときに、ついついパソコンや書類をのぞきこみ猫背になってしまうことも多い。
そこで、「立つ」ったままデスクワークをやるのが最適なのだ。
企業での組織的なスタンディングデスク導入事例 ~楽天~
楽天は、旧品川からグループ総力を挙げて本社を、二子玉川に移転した。
その移転をきっかけに、全社員1万3000人以上に新たに導入したのが、岡村製作所のSwift(スイフト)という電動で昇降可能なスタンディングデスク
出典:Swift
北欧ではスタンディングデスクが国家的に推進されている
日本ではあまり見慣れないが、欧米では特にEU諸国中心に座りっぱなしの健康への悪影響が懸念されており、立ち姿勢と座り姿勢を交互にとることが推奨されている。
特に、北欧では国家的にスタンディングデスクの導入を推奨しており、95%の企業が導入している。
◆各国のオフィスデスク販売数に対する昇降デスクの占める割合
出典:スタンディングワークのススメ
北欧は日本と同じくらい高齢者が多いことは知っている人も多いと思うが、高額な税金を請求される反面、福祉設備やサービスが充実している。
スタンディングデスクの導入が、国家的に進む背景も、理解はできると思う。
人口予測では2030年には、日本は北欧諸国を圧倒的に上回る高齢者比率になるという。
出典:United Nations (2003) World Population Prospects: The 2002 Revision Population Database
日本でも来る超高齢化社会に備えて、2017年4月から消費税を10%に増税するなど、国民の税負担は増額され続けるだろう。
しかし、税負担が増えるのと、日本の社会福祉サービスが充実するのは別問題なので、北欧諸国のようにスタンディングデスクの導入が国家的に推進されることは難しそうだ
このように国家的に、また楽天やGoogleのような意識が高い企業をのぞき、日本の景気が低迷する中で、組織レベルでスタンディングデスクの導入が進むのは先は長そうだ。
しかし、あなたが、腰や背中や肩コリに悩まされていた場合、個人レベルでスタンディングデスクを導入してみる価値はある。
関連記事:スタンディングデスクによる健康増進効果!!エクササイズ代わりで筋肉強化もできる!!
まとめ
・人間の体は座ることに適した構造をしていない
・デスクワークを続けると腰痛になるのは当たり前
・「立つ」は「座る」よりも腰の負担が少ない
・立ったままデスクワークをしている楽天の事例
・北欧諸国は国家的にスタンディングデスクを推進している
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