関連記事:SF映画の世界が現実となるのは数年後!?マイノリティレポートでのIoT事例 ~まとめ~
ビルの壁が道路となり、磁力で自動車が張り付いて垂直方向に進んでいます。
調べてみると、垂直に突き刺さっている道路が在するらしいです。
Contents
見間違いと目を疑いたくなる!?垂直に突き刺さる道路!?
アスファルトの道路が突き刺さっているように見えます。車を運転していて突如目の前にこのような光景が現れると、はじめは信じられず思考停止に陥ってしまうかもしれません。しかし、これは編集・合成した画像でもないし、災害で破壊され隆起した道路でもありません。
これは、高知県香南市の室戸岬近くにある「手結港可動橋(ていこうかどうきょう)」という動く橋です。
動いている様子は動画を見てください。
踏切が下がりきり一呼吸おいた、1:20あたりから道路が徐々に動く様子がわかると思います。
最後はほぼ垂直に(正式には70度)まで跳ね上がります。
動く道路部分だけで、約32mもあるため、間近で見ると大迫力です。
雪が積もってでもいれば、ノルディックスキーのジャンプ台にでも見えるような規模でしょうか。
江戸時代に建設された日本最古の掘込港にかけられた可動橋
出典:日本の土木遺産
可動橋がかけられた手結港は、江戸時代の1655年に岩礁地帯の入江を掘削して作られた、日本最古の本格的な掘込港湾と言われています。
建設してから350年以上も経過し、港としての重要な役割は薄れつつありますが、今もなお漁船が係留されて使われている現役の港です。
そんな伝統ある港にかけられた「手結港可動橋」は、地域振興・活性化のために手結港周辺の施設整備の一環として建設され、2002年(平成14年)9月に、完成しました。事業費は、21億3000万円と巨額の費用が投じられているだけに効果が気になるところ。
「手結港可動橋」は完成後、この街のシンボルとなり話題になったことで、完成翌年には前年比3倍の20万人を超える利用があったそうで、この街全体の活性化に大きく貢献しているそうです。
出典:月刊建設
可動橋にして便利になったの!?
実際に、Googleマップで調べると「手結港可動橋」を渡ると50m足らずの距離ですが、手結港をぐるっと迂回すると約10倍の500mくらいの距離を回らなければなりません。付近に手結海水浴場などのレジャースポットもあるため、徒歩で移動する人にとっては、「手結港可動橋」ができたことでかなり便利になったと言えるでしょう。
出典:Googleマップ
ストリートビューで、現地に行った視点で見てみると、のどかな港風景に、石積みで築かれた様子がわかると思います。
橋が跳ね上がってる時間は通行不可
この橋は1日6回の合計7時間ほどしか通行できません。通行可能なのは、早朝から夕方までの間の限られた時間のみです。
夜の間は橋は跳ね上がりっぱなしで、迂回せざるを得ません。夜間時間帯は、手結港から太平洋側にかけて、漁船が行き来するためでしょう。
維持費が年間1000万近くかかるそうです。
手結港から漁船が出港することなくなれば、電力供給がストップされ、可動橋ではなくただの橋になってしまう可能性があります。
東京都の隅田川にかかっている勝どき橋もかつては可動橋として、橋が跳ね上がっていました。隅田川の船の往来が少なくなったため、1980年以降可動橋として動かすことはやめているそうです。
この「手結港可動橋」もいつ使われなくなってしまうかわからないので、四国地方に行って時間があった場合はぜひ自分の目で見てみることをオススメします。
sponsored link