2005年に旧ライブドアのホリエモンを打ち負かし、新規創設する東北楽天ゴールデンイーグルスのオーナーとなった楽天・三木谷社長。
今度は中国のアリババなど大手IT企業を退け、欧州リーガエスパニョーラのFCバルセロナとパートナー契約を結んだとのこと。
楽天が5年320億円とも言われている巨額のスポンサー契約に踏み切ったいきさつをまとめてみました。
チームロゴに秘められたNo.1にかける想い
楽天はヴィッセル神戸の運営会社でもあり、サッカービジネスに関してはある程度経験を蓄積しています。
三木谷社長自身も、学生時代は体育会系。テニス部の主将をつとめインターハイなどにも出場した経験があるそう。
そんなスポーツ愛好家である三木谷社長は今回のロゴのデザインにもかかわったらしいですね。
Rakutenのロゴは三木谷社長もデザインに関わったそう。ロゴしたのアンダーバーライクなものは漢字の【一(いち)】をイメージ。リーガ・エスパニョーラNo1のバルサと、世界一を目指す楽天とをかけてのものだそうです。https://t.co/X2jipyN4N7 pic.twitter.com/fcUsrYWwBh
— PopBang (@Pop_Bang_) July 13, 2017
Rakutenのロゴしたの▶を細長くしたマークは、漢字の【一(いち)】をイメージしたものだそう。
欧州リーグNo.1を目指すバルサと、ITビジネスで世界No.1を目指す楽天のコラボは果たしてうまくいくのか?
非常に先行きが楽しみですね。
なぜ企業はスポーツチームのスポンサーになりたがる?
それは広告宣伝効果が高いから。
楽天の三木谷社長は、5年間320億円を投じるからには、十分なリターンを見込んでのこと。
ユニフォームのロゴに企業名を載せる形態は、ネット広告と違って、顧客のクリック動作などによりダイレクトに効果を測定することは難しい。
でも、バルサや欧州サッカーファンの目にRakutenロゴが留まり、長期的に見て十分な収益が見込めると予想しているのでしょう。
ユニフォームのロゴ以外にも、企業が広告出稿できるポイントはいくつもあります。
東北楽天ゴールデンイーグルスの例を挙げると、
ヒーローインタビューボード、スタジアム内のオーロラビジョンや、外周内周などいろんなスペースに広告を出すことができるのです。
スポーツチームのスポンサーになると、ヒーローインタビューボード、スタジアム内のオーロラビジョンや、外周内周などいろんなスペースに広告を出すことができるのですhttps://t.co/8Bra5FyGlB pic.twitter.com/XJ0IxShMwY
— PopBang (@Pop_Bang_) July 14, 2017
他にもクラブチームのマスコットキャラクターの使用権を使って、キャラクターグッズの販売等を行うこともできます。
楽天でもバルサベアなどのグッズが販売されています。今後は、楽天×FCバルセロナの新グッズがでてくるかもしれませんね。https://t.co/Vqzi9rIWvn pic.twitter.com/Jc8djcuuMV
— PopBang (@Pop_Bang_) July 14, 2017
クラブチームとスポンサー企業の関係性を整理したわかりやすい図があったので紹介しておきます。
日ハムのオフィシャルサイトからの引用です
クラブチームのスポンサー企業の販促イメージの図。日ハムのオフィシャルサイトより引用しました。https://t.co/WvG1kppPYd pic.twitter.com/1SNpiRVxT1
— PopBang (@Pop_Bang_) July 14, 2017
例えるなら、スポーツチームというのは巨大な媒体(メディア)や権利関係の集合体なんです。
スポーツチームとスポンサー契約を結ぶと、ロゴが入るすべての媒体に広告掲載が可能です。
ユニフォームから、スパイクなど選手が身体につけるものから、スタジアムの外周・内周などに設置する看板広告。
バックネット裏の巨大なオーロラビジョンに休憩時間中にスポンサー企業のCMを流すことができるし、スタジアムで売っているドリンクの紙コップやキャラクターグッズまで多岐にわたって企業の販促活動が行えますね。
楽天が狙いを定めているターゲットは?
サッカーファンには、毎回お気に入りチームの試合には遠征してでも、仕事を休んでも駆けつける熱狂的サポーターから、テレビで観戦したり、ニュースや動画サイトでゴールシーンなどのハイライトだけ見れば満足という人まで様々。
こういったファン層の中で、楽天が狙いを定めているのは、おそらく熱狂的サポーター以外でしょう。
なぜなら、テレビだとアップで選手ユニフォームのロゴが抜かれることもあるが、スタジアムで観戦しているとロゴが小さくて視認できません。
あなたがサッカーを観戦しにスタジアムに出かけたことがあるならわかるはずです。
さらに地域性について考察してみましょう。
楽天は2008年3月、欧州拠点としてルクセンブルクに楽天ヨーロッパを設立。その後、2010年にフランス、2011年に英国とドイツ、2013年にオーストリアとスペイン、と欧州でのEC事業を急拡大
出典:楽天、手にした欧州再挑戦の切り札
グローバルにECと金融を急展開させてきた楽天だったが、想定していた結果は得られず苦戦が続きついに昨年度徹底をしています
楽天は2016年6月、英国、スペイン、オーストリアで展開していたEC事業、そして拠点の閉鎖を発表。フランスとドイツの2拠点に集中的に投資する判断を決めた。
出典:楽天、手にした欧州再挑戦の切り札
この撤退した2016年の翌年、2017年に欧州クラブチームとスポンサー契約しています。
再び欧州進出を狙ってのものなのでしょうか?
もともと楽天の欧州進出で失敗したのはEC事業だけだと言われており、デジタルコンテンツ事業に関しては欧州の会社を買収しています。
2012年にスペインの動画配信サービス「Wuaki.tv」、2014年には、イスラエルのメッセンジャーアプリ「Viber」を買収しています。
そのため、FCバルサとのスポンサー契約は、欧州マーケケットでのデジタルコンテンツ躍進を狙っているのは確かでしょう。
他にもう1点、理由をあげるとすれば、全世界に散らばるコアなサッカーファンへの認知度をあげるということ。
例えば、欧州サッカーファンは日本にも多いですが、米国や中国など欧州以外の地域にもたくさんのファンがいます。
地域別のグローバル売上高は以下の通り。
楽天の地域別売上高。https://t.co/ztQjmnVz5j pic.twitter.com/wQjFoUBcaJ
— PopBang (@Pop_Bang_) July 14, 2017
欧州よりも日本や米国の売上高が圧倒的に多いです。
以上のことより、楽天のFCバルサとのスポンサー契約は、欧州ファンの獲得よりも、既存の得意客である日本や米国のサッカーファンにより楽天を認知させる作戦なのではないかと思います。
特に、アジア圏は今後も2050年ごろまでは人口増加が続きますし、長期的に見ると世界各国のサッカー小僧にテレビやネット動画を通してRakutenの名前を憶えてもらうのは、一定の効果があるはずです。
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