なぜなら、結婚式や披露宴に招待されたゲストとの一番最初の接点となるためだ。
そのため、新郎新婦の代理として、両家の"顔"としてメンツをつぶさないように、わざわざ時間をさいて来てくださったゲストに心より感謝をこめておもてなしする必要がある。
結婚式の準備は、やることがたくさんあるし、慣れていないはじめての経験だらけで、目が回るほど忙しいと思うが、頑張って乗り切って思い出に残る素敵な結婚式にしてほしい。
また、新郎新婦から結婚式の受付係を頼まれた人も、いくら事前に受付でやることの流れを把握していても、当日はバタバタになってしまうことが多々ある。少しでも当日落ち着いて受付係の役割を全うし、結婚式に参列されるゲストを心よりおもてなしするために、抑えるべきポイントをまとめている。
Contents
受付の流れ
受付の依頼をする
できるだけ早く依頼した方がよい。発起人や余興の企画者とともに、人選が終わり次第受付の依頼も済ませよう。
しかし現実的には、新郎新婦は不慣れな結婚式の準備に追われてついつい直前になりがちだ。
その場合も、最低、結婚式の1ヵ月ほど前には、新郎新婦から受付係を依頼したい人にオファーをした方がよい。
なぜなら、受付係は、新郎新婦両家の顔であると同時に、ご祝儀など現金の管理を行う重要な役割だからだ。
ある程度の心の準備はいるので、最悪でも2週間前には、受付係の依頼をしよう。
できれば直接会ってオファーするのがよいが、難しい場合は、電話やメールで気軽に依頼してもよいと思う。
受付係に適した人
一昔前までは、ご祝儀など現金を取り扱う役割のため、親族が受付係をすることも多かったそうだが、最近は新郎新婦の友人や会社の同僚などが行うことが多くなってきている。
では、その受付係に向いている人とはどんな人だろうか?
前提条件
遠方の方からは受付係をお願いすることで、15~30分ほど早めに会場入りしていただく必要があり負担をかけてしまうことになるため、遠方の人に受付係をお願いするのはできるだけ避けよう。
また、小さな子供を持つ友人や、目上の人は避ける方がよい。
受付係の人数は新郎側から男性2人、女性2人というのが一般的だ。
お互いに面識のある2人をペアとして、新郎側、新婦側と配置するのがよいだろう。
責任感のある人
新郎新婦両家を代表する立場、かつご祝儀を管理する必要があるため、責任感のある人が望ましい。
飲み会などの幹事をこなせる人が向いている。
例えば、飲み会の参加メンバーからお金を集め、、お店に支払うなどの行動がソツなくできる人。あるいは、仕事などでも複数メンバーを取りまとめるリーダーシップのある人が適している。
また、ご祝儀泥棒などがいることから、常にご祝儀から目を離さず、最後に会計係まで責任もってご祝儀を届けることのできる人がよい。
柔軟性があり臨機応変な対応ができる人
フットワークが軽く、いざという時に、いつでも冷静沈着に的確な判断ができる柔軟性に長けた人がよい。
例えば、当日は他のゲストへの言付け(例:新郎新婦から映像係役のゲストが来たらプロジェクターを渡しておいてくれ)などを受付係にお願いすることがある。このような場合、事前に新郎新婦側から、事細かに指示をしなくても、意図をくみ取って動くことのできる人が向いているだろう。
職業的には、人の上に立つリーダー経験が多い人や、個人事業主や経営者など、視野が広く柔軟性の要求される仕事をしている人が向いていることが多い。
人当たりのよい人
受付係は、新郎新婦両家の顔であり、一番最初にゲストと接するおもてなしであるため、人当たりのよい人がよい。
物腰が柔らかく、明るくて誰とでも打ち解けて話せる人がよいだろう。また笑顔の素敵な人が向いている。
職業的には、飲食店など接客業などの経験がある人など、不特定多数の人と普段から接し慣れている人が向いている。
受付前に簡単な打ち合わせ
出典:WPIC
5分ほどでいいので、結婚式当日に、受付係と認識合わせをしておいた方がよい。
結婚式当日は、新郎新婦から受付係に説明をしている時間はないため、結婚式場やホテルのスタッフさんから、受付係に簡単なレクチャーをしてもらうのが一般的だ。
受付係が所定位置につき、スタンバイを始める時間や、受付に置かれている備品(芳名帳、ペン、ゲスト名簿など)の説明を受ける。
一番重要なのは、集まったご祝儀を誰(多くは親族のどなたか)に渡すかだ。
他にも、新郎側、新婦側のそれぞれの受付係の顔合わせや役割分担などを事前に済ませておくとスムーズだ。
役割分担を決めておくとよい
新郎新婦両家ともに、ご案内係(ゲストからご祝儀を受け取り席次表を渡す)、ご祝儀係(記帳いただいた名前と、ゲスト名簿を照合する)など役割分担を決めておくのが一般的だ。
出典:受付係の役割分担
このように新郎側、新婦側ともに男性・女性をバランスよく配置するのがよしとされている。
しかし、私のこれまでの経験上は、新郎側の友人の男性2人1組、新婦側の友人の女性2人1組となり、担当することが多かった。
そして、できれば新郎側、新婦側ともに友人の2人は、お互い顔見知りで気の知れた友達の方がよい。その方が、事前に信頼関係が構築されており、受付係という2人1組の共同作業を行うにあたってスムーズだ。
ゲスト(参列者)より前に受付にスタンバイ
受付のタイミングは、挙式前か披露宴前かどちらかになる。
タイミングは会場や目的によって異なる。
例えば、チャペルでの挙式の後に、新郎新婦が和装に着替えるのであれば、時間稼ぐために、挙式後披露宴前に受付をするなどだ。
また、挙式中も受付をオープンさせ、挙式中にも受付を行う会場もある。その場合には、受付をするゲストは挙式には参加せず披露宴からの参加となる。(挙式中の受付は、式場のスタッフが代行してくれるか確認が必要)
一般的に、挙式後披露宴前の受付は、挙式に参加し終えたゲストが集中して受付に来るため、混雑することが多い。そのため、披露宴前の受付の場合は、ある程度の混雑を予想し、受付でゲストをお待たせすることなく効率よくさばく対応をする必要がある。
例えば、受付の4人(新郎2人、新婦2人)を、ご案内係とご祝儀係に役割分担せず、全員が案内係となり、ご祝儀をうけとり、席次表など配布物を配ることだけに専念すると、ゲストをお待たせする時間が短くて済む。その場合、受付の手が空いた時間に、芳名帳の名前とゲスト名簿を照合するとよい。
ゲストからご祝儀を受け取る
出典:受付や司会をお願いするときの基本的なマナーをおさえておこう
ゲストがいらっしゃったら、笑顔で「こんにちは」とあいさつしましょう。
ご祝儀をゲストから受け取る際には「ありがとうございます」「頂戴します」と言って、両手で受け取るようにしましょう。
ゲストに記帳を促す
ゲストの方に、芳名帳に名前を記入していただきましょう。
「お名前のご記入お願いします」
といって、芳名帳を(手の平を上に向けて)手で指し示すと丁寧ですね。(住所も書いていただくと1人あたりの受付時間が長くなる。新郎新婦が招待状を送付する際に知っているハズ。特別な理由がない限り書いてもらう必要はないだろう)
気を付けておく点は、ご夫婦や家族一同でいらっしゃるゲスト。ご夫婦や家族一同で、連名で名を連ねたご祝儀袋を持ってくると思います。
その場合には、代表者の名前以外にも、ご記帳いただくようにお願いしよう。
例えば、
山田 太朗、花子
山本 一郎、百合子、次郎(子)
などと、面倒でも全員の名前を記入いただくようにすると、芳名帳の名前とゲスト名簿と席次表などとの照合がスムーズになる。
できれば、受付をお願いする友人や同僚には、可能であれば、事前にゲスト名簿の一覧などを送付して、ある程度出席するゲストの状況を一読してもらっておくとよいだろう。
ゲストに席次表、お車代など渡す
席次表や配布物を渡す
出典:DELLA WAY
席次表やその他配布物(例:披露宴中に使用する光るペンライトなど)をゲストに渡す。
その場合、席次表は受け取ったゲストが読む向きにして手渡すこと。(席次表の字が逆さにならないこと)
そして「披露宴開始まで控室でお待ちください」「披露宴会場にお進みください」などとゲストに次の行動を促すこと
お車代やお礼を渡す
また、遠方からお越しのゲストには、お車代を渡す場合もある。
遠方と言っても、東京⇔大阪と、東京⇔沖縄では、交通費に差があるため、できれば参列するゲストごとに金額を変えた方がよい。
その場合は、お車代を入れた封筒に付箋などで目印(ゲストの名前などを記載)を付けておいて、受付係の人がお車代を渡す人を間違えないように配慮したい。
もちろん、受付係からゲストに渡す前には、付箋などの目印は外してから渡していただくように一言伝えておくこと。
受付係には、ご祝儀を受け取ったゲスト名に加えて、お車代を渡したゲストについても、ゲスト名簿や席次表にチェックをしておくように依頼しておくとよい。
集めたご祝儀を会計係に渡す
出席するゲストが全員そろっているのが確認できたら受付をお開きにしよう。
その後は、"受付前に簡単な打ち合わせ"で確認していた会計係の人に確実に、ご祝儀を手渡すこと。
気を付けたいのは、「会計係に頼まれてご祝儀を受け取りに来ました」という人には手渡してはいけない。
ご祝儀泥棒の手口である可能性があるためだ。
なかには、ご厚意で手伝いを申し出てくれる人もいるが、関係者以外は「ご厚意ありがとうございます。しかし間に合っていますので大丈夫です」と丁重にお断りしよう。
まれに挙式や披露宴の開宴までに、何らかの事情で間に合わない遅刻者もいる。その場合は、受付係の1~2名だけが残り、他の受付係は挙式や披露宴会場に向かわせて良い。
その他
なお、挙式後披露宴前に受付する場合に、受付にゲストが一気に駆け込み混雑してしまう場合がある。
その場合、本来なら
①ゲストからご祝儀をもらう
②記帳の名前と席次表(ゲスト名簿)を照合する
③席次表を渡す
ところの、②を省いてしまってもよいだろう。②は、受付係の手のすいた時間にまとめてやってしまうのがよいだろう。
なぜなら、②は受付係の裏方の作業だからだ。裏方の作業のために、ゲストをお待たせしてはいけない。そのため、混雑している場合は、
①ゲストからご祝儀をもらう
②席次表を渡す
を繰り返しゲストを必要以上にお待たせしないように配慮しよう。
受付の飾りつけ、装飾品
出典:Wedding Decorations & Wedding Decor
けっこう忘れがちや後回しになってしまうのが受付の飾りつけ。
定番なのは、新郎新婦の2人のスナップやイラストなどをコラージュ(デコレーション)した写真などが、お花などにそえられて飾られていることが多い。
飾りつけの基本方針
結論から言うと、受付の飾りつけはあまり凝る必要はない。
マストで必要なのは、ウェルカムボードだけだ。
ウェルカムボードがないと、ホテルなどであなた以外の挙式がある場合に、パッと見わからなくなるためだ。
そのため、ウェルカムボードだけは誰の結婚式なのか一瞥してわかるようにゲストに認識してもらう必要がある。
悲しいが、ウェルカムボード以外の受付の飾りつけを意識しているゲストはほとんどいないだろう。
あなたが過去にゲストとして招かれた結婚式でも受付の飾りつけなどを鮮明に覚えていることはないハズだと思う。
なので、受けつけの装飾品などはあくまでオプションで新郎新婦の自己満足だと思っていてよいかもしれない。
ウエディングプランナーは、仕事なので「お花をつけましょう」などいろいろ提案してくるだろうが断っても問題ないだろう。
ウェルカムボードの例
写真を布にプリントしたポートレート&風景画風のボード
手書きデッサン風の味のあるボード。イラストが得意な友人などに依頼できると低予算でできる。
出典:IsseiNomura
飾りつけはほとんどの招待されたゲストにとって印象に残らないと言った。
しかし、裏を返せば、多くのゲストにとって「印象に残る受付」にすればアピールになる。
そのため、仕事関係者などを多く招く結婚式の場合は、あえて受付の飾りつけにこだわってアピールするのもありだろう。
結婚式の受付に適した服装
結婚式の受付係に適した服装についてです。
女性の場合は、"肩を出さない"、"胸元が開きすぎない"という2点を注意すべき。
他にも、受付でご祝儀を受け取るときに、お辞儀をしたりすることが多いため、髪はアップにしておくことが望ましい。
男性の場合も、基本はスーツであれば問題ない。爪を切って清潔感のあふれる服装にしておけばよいだろう。
できれば、髪型も、おでこを出したり、短めに整えておいた方が、年配の方には好印象をもたれるだろう。
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