不確定要素が多い状況下でも、コミットメントと結果を求められるビジネスパーソンは心身ともに疲弊してしまう。
今回は、ビジネスパーソンが疲弊しないためのキーとなる「レジリエンス」の特徴や高め方について調べてみた。
Contents
レジリエンスとは何か?
レジリエンス(英:resilience)とは、精神的回復力、抵抗力、復元力、耐久力などと訳される。
Resilience is the process of adapting well in the face of adversity, trauma, tragedy, threats or significant sources of stress — such as family and relationship problems, serious health problems or workplace and financial stressors.
出典:American Psychological Association
一言でいうと
逆境から立ち直る力
と理解していただければよい。
レジリエンスが低く心が折れやすい人の特徴
レジリエンスが低い人、言い換えると、
心が折れやすい人
には、どのような特徴があるのだろうか。
埼玉学園大学の小玉正博教授が行った「けん玉」を用いた実験結果をもとに説明する。
被験者である学生に、「けん玉」を使った難しい課題をだし、あきらめることなく課題の解決に粘り強く取り組めるか検証するのが狙いだ。
その結果、心が折れやすい人には2つの特徴があることがわかった。
1つ1つの結果に対して感情の起伏が激しい
けん玉をやっている男性の発言に注目すると、
男性「うわーーー!!」
男性「おー、できた!!」
男性「せ~の!!」
などと、1つ1つのアクションに対してややオーバー気味にいちいちリアクションする人がいた。
このような人たちは、いちいちリアクションし、一喜一憂するのにエネルギーを消耗し、長続きせず課題をあきらめてしまう傾向にあった。
自分の力を過小評価し最初からあきらめている
途中で課題を投げだす人にさらに深くヒアリングを行うと、さらなる傾向が明らかになった。
女性「たぶん、こういうの向いてないから」
女性「これは無理だな!」
と、課題に対して最初から無理と決めつけていたり、自分の力を過小評価する傾向にあるという。
レジリエンスが高く心が折れない人の特徴
一方、1時間以上も課題に粘り強く取り組み続けた人からも一定の傾向がわかったという。
いつかできると考え、楽観的
課題の失敗を繰り返す中でも、少しずつ成長していると感じている人や、いつかできるだろうという気持ちを持つ人が多かった。
「一般的に“心が強い”とイメージするのは、“鋼のような”、“跳ね返す”、“硬い”、“頑丈な”というイメージを持つが、レジリエンスというのは、楽観性のように自分のいる状況に対して前向きに、不安とかそういうものに打ち負けないでしなやかにこなしていく。
そういう心の持ちようがレジリエンスだということが、研究の中でだんだんと明らかにされてますね。」
(埼玉学園大学 小玉正博教授)
出典:NHKクローズアップ現代 2014年4月17日(木)放送
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出典:NHKオンデマンド
食生活を見直すと疲れにくく心が折れにくくなる
心が折れにくくするためには、食生活も見直すとよい。
具体的には、3時間おきに少量の食事をとるのだ。
なぜなら、血糖値(=血液中のブドウ糖濃度)を安定させ、脳に供給されるブドウ糖を一定水準に保つためだ。
脳のエネルギー源となるのはブドウ糖のみで、ブドウ糖が少なくなると集中力が落ち、感情の起伏が激しくなりやすい。
通常、食事をすると血糖値は緩やかにあがり、食後3~4時間かけて、空腹時と同じレベルの血糖値に戻ってしまう。
この空腹時と同じレベルに血糖値が下がった状態で、少量の食事をとり、血糖値レベルを一定水準に保つのだ。
例えば、昼食を12時にとって、夕食が20時という生活ならば、15時に少量の食事をとるとよい。
少量の食事というのは、少量のスナックやお菓子類で栄養補給をすればよいので、多忙なビジネスパーソンでも摂取可能だ。
オススメの栄養補給はナッツ類、酢こんぶなど。
なぜなら、ともにご飯やパン、肉類などの主食に比べて、消化吸収が遅く、血糖値の上昇が緩やかなのだ。
そのため、食後すぐに血糖値が下がることを防ぐことができる。
また、コンビニでも売っており入手もしやすく、常温で保存可能で、携帯性に優れているため、ビジネスパーソンがカバンに忍ばせておくのに最適だ。
まとめ
・レジリエンスとは精神的回復力、抵抗力、復元力、耐久力などのこと
・レジリエンスが低い人は、言い換えると、心が折れにくい人
・心が折れやすい人の特徴1:1つ1つの結果に対して感情の起伏が激しい
・心が折れやすい人の特徴2:自分の力を過小評価し最初からあきらめている
・心が折れにくい人の特徴は、いつかできると考え、楽観的
・食生活を見直すと疲れにくく心が折れにくくなる
・血糖値を一定に保つ間食には、ナッツ類や酢昆布がオススメ
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