いまや東南アジアだけでなく、世界のビジネスや金融の拠点として栄えるシンガポール。
金融資産100万USドルを超える富裕層の割合がシンガポール国民の17.1%(2011年)で、
古くから富裕層が集まることで有名なスイスや香港をしのぐそう。
そんな富裕層がお気に入りな国だけに「快適な暮らし」「美しい街」を守るため
法律で規制されまくってるシンガポールは、タバコについても非常に厳しい諸事情やルールがある。
今日は、シンガポールに旅行や移住を計画している愛煙家のため、タバコ事情について調べてみた。
Contents
日本からタバコを持ち込むことはできるのか?
日本国内でタバコを買うと、タバコ税と消費税が含まれている。
例えば、マイルドセブン(現メビウス)なら、1箱430円のうち、税額負担は約270円と6割以上だ。
出典:たばこワールド
そのため、通常、日本国内の空港にある免税店(Duty Free Shop)で購入し、
タバコ税を払わずに、シンガポールに持ち込みたいところ。
タイやマレーシアではこの方法で持ち込める(1カートン、20本×10箱なら免税される)が、
シンガポールに持ち込む場合は、タバコ1本から税金を払う必要がある。(免税枠が皆無)
税額は1本につき35.2セントで、さらにGST(消費税;Goods & Services Tax)も7%加算される。
つまり、タバコ1箱20本持ち込むのであれば、7ドル4セントのタバコ課税に消費税を加えた
7.53ドルが支払う税金額となる。
日本円で約561円(1SGD=74.5円 2016年7月現在のレート)を支払う計算だ。
持ち込んだ場合納税レシートをとっておくこと
出典:Singapore Duty-Paid Cigarette (SDPC) Mark
シンガポールでは、SDPCマーク付きのタバコしか所持が許されない。
SDPCとは、Singapore Duty Paid Cigarettes の頭文字で、納税済みのタバコを証明するマーク。
シンガポール国内で購入したタバコには、上の画像のようにSDPCマークがついているが、
日本からタバコを持ち込んだ場合は、当然、SDPCマークがついていない。
そのため、シンガポール国内で係官に違反を指摘されたら、通関時の納税レシートを提示するように、必ず納税レシートは保管しておこう。
もしシンガポールに内緒で持ち込んでバレた時の罰金は?
出典:Hypnotherapy & Smoking: Your Gains and Losses
そんな税金もったいなくて払ってられない、こっそりシンガポールに入国時に持ち込んでやろう!
と「密輸」にチャレンジする人は、リスクを考慮した上でやってほしい。
なぜなら、シンガポールはアジアの最先端技術の見本市のようなシステム国家だ。
免税のグリーンレーン(税申告なし)を通過する際の、手荷物X線検査でバレてしまう可能性が限りなく高い。
タバコの内箱には、アルミホイルや銀紙などが金属加工品が使われているのでX線では一発摘発されてしまう。
その際の罰金は、初犯で200シンガポールドル(約1万5000円 2016年7月)だそう。これに加え、通常のタバコ税も加算される。
再犯など係官に悪質と判断された場合は、最高で5000シンガポールドル(約38万円 2016年7月)の罰金を科せられたり、
最悪身柄を拘束され、収監されることもある。
シンガポールの入国・通関エリアにはマシンガンを持った武装係官がいるため、逃げようとしたら発砲されかねない。
はじめっから、正直にレッドレーン(税申告あり)を通った場合は、タバコ1箱で約500円だ。
タバコ2箱までなら見逃してもらえる?
シンガポールへのタバコ持ち込みは1本単位で課税され免税されない
と各種ホームページで紹介されている。
しかし、吸いかけ(封の開いた)のタバコ1箱と新品1箱なら見逃してくれる説もある。
その方法を試すなら、吸いかけ1箱と新品1箱をもってレッドゾーンに行き、係官の指示を仰ぐとよい。
「それだけなら、グリーンレーンへ行け」
と誘導してくれればしめたもの。狙い通り、税金を払わずタバコを持ち込める。
ただし、この場合は当然ながら、納税証明(レシート)を発行してもらえないので、
シンガポール国内の公共の場でタバコを吸うとSPDCマークなしを指摘されることもあるので注意しよう。
シンガポールでのタバコの値段は?
出典:Passed! Amended Tobacco Bill to take effect next year
日本からタバコを持ち込むと税金を払わないといけないのはわかった。
ならば「現地シンガポールでタバコを買おう」と思うのは自然な思考だ。
しかし、シンガポールでのタバコの値段は日本の2倍以上。
セブンイレブンなどコンビニの至るところでタバコは購入できるし、
Marlboro、キャメルやKENTなど銘柄も豊富だが、1箱20本で、12~13シンガポールドル(約940円 2016年7月)が相場。
日本から持ち込んでも、1箱500円課税されることを考えると、為替レートで変動はあるものの、
シンガポールで買うのと、日本から持ち込むのではトータルコストはほとんど変わらない。
シンガポールで喫煙できる場所は?
屋内では喫煙できる場所はほとんどないが、
屋外ではけっこう自由にタバコを吸ってもよい
屋根がある場所では全面禁煙がふつう
出典:No Smoking Laws For All Fifty States
禁煙マークのある、博物館、美術館、病院などの公共施設や、レストラン、カフェ、ホテルのロビー、駐車場など、
いたるところで喫煙できない。
ホテルの部屋なら、SMOKING ROOMと書かれた部屋のみ喫煙できる。
出典:トリップアドバイザー
バーやパブやカジノなど、日本ならば普通にタバコを吸ってもよいところでも、お店が決めた喫煙スペース
(座席数or床面積の20%が上限)以外は全面禁煙だ。
日本にいる感覚で、お酒を飲みながらついうっかりタバコに火をつけてしまわないように注意しよう。
シンガポール国内のトレンドとしては、国家的に禁煙志向が強く、
2012年4月末にスイソテル・ザ・スタンフォードと、スイソテル・マーチャントコート・シンガポールが館内全面禁煙を発表し、
今後もこの流れが巻き戻ることはなく、全面禁煙の施設がますます増えていきそうだ。
屋外ではわりと自由に吸ってもよい?
屋外では大通りぞいなどに、数百メートルおきに灰皿が設置されている。
そのため、市街地を歩きながら歩きタバコもOK。
ただし、歩きタバコする場合は、周囲の人に迷惑がかからないように配慮した上でだが。
チャンギ国際空港の喫煙所も、すべてが外気にさらされた屋外にあるなど、
喫煙所=屋外
は徹底しているようだ。
ショッピングセンターなどの施設の外では、タバコを吸ってもよいのだが、入口から5メートル以内は禁煙だ。
出典:シンガポールの禁煙事情
ホテルやショッピングセンターで一服したいときは、外にでて、入口から5メートル以上離れたところで一服しよう。
もし喫煙可能区域以外で吸っているのを、警官などに見つかってしまった場合、
最高で罰金、1000シンガポールドル(約7万5000円 2016年7月)の罰金をとられるので注意しよう。
電子タバコもNG
数年前から突如日本でも流行しはじめた電子タバコはどうなのか?
結論は、電子タバコを所持しているだけで、警察に通報されるとのこと。
空港の入国前・出国後のエリアも国内とみなされ、手荷物検査場で発見された場合も警察への通報の対象となりますのでご注意ください。
出典:JAL
電子タバコのシンガポール国内へ輸入、配布または販売すると、
1万シンガポールドル(約75万円 2016年7月)以下の罰金が科せられる。
その他タバコ類似品すべてNG
日本ではあまりメジャーではないが、東南アジアなどで使用される、噛みタバコ
出典:https://youtu.be/1i-1BEfbgoI
中東が発症で、日本でも専門店がある水タバコ(シーシャ)もNGだ。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=0LsgRb9cTQI
なぜに紙巻タバコは課税しても持ち込みOKで、電子タバコや水タバコは持ち込みが一切禁止されているのか理由は定かではない。
ここから先は、推測だが、シンガポールは国家的に将来タバコを持ち込み禁止にしようとしているだろう。
紙巻タバコは流通量も多く、いきなり持ち込み禁止にはできない。
しかし、タバコ類似品(電子タバコ、噛みタバコ、水タバコ)は流通量もそれほど多くなく、持ち込み禁止にしても困る人は多くなさそう。
そのため、タバコ類似品は一律持ち込み禁止、紙巻きたばこは段階的に税金を高くして、喫煙者を徐々に減らしていき、
いずれは、一切のタバコをシンガポール国内から消すつもりなのだろうと思われる。
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