ふるさと納税、という言葉はメディア等でも頻繁に取り上げられるためご存知の人も多いだろう。
税金から還付される(=返ってくる)などの謳い文句で何となくお得感は感じられるのだが、実際のところ何がお得なのかわからないため、ふるさと納税制度に二の足を踏んでいる人もいるだろう。
私も、最初にネットで調べたときは、ふるさと納税と節税・還付がどのようにつながっているのか理解できなかった。
そこで、税金にあまり慣れていない、会社勤めの方などを対象に、ふるさと納税の仕組みを簡単にまとめてみた。
ふるさと納税とは
一言でいうと
ふるさとに寄附すると得をする
ということ。
得と言うのは、
・税金が戻ってくる
・特産品がもらえる
あなたが、
① お気に入りの地方自治体に寄付をする
② 地方自治体から寄付のお礼に、特産品(米、肉、酒、家電製品、旅行券etc)がもらえる
③ 税金(所得税、住民税)が戻ってくる
詳細は順を追って説明しよう
誤解その1 ふるさと納税というけど納税しない
ふるさと納税という言葉から「納税するの?」「余計に税金を払うの?」という疑問をする人も多いが、納税はしなくてよい。
あなたが地方自治体に寄附をする のだ。
なぜ、”納税”という言葉が残っているかというと、現在のような寄付金控除で行うやり方の他に、当初は住民税納付の際、現住所と出身地等のふるさとの地方自治体に分割して納付することを検討していた経緯があるためだ。
「ふるさと納税」制度について、住所地の地方団体に課税される納税者が、税金の一部を住所地以外の地方団体に納付する方式、言い換えれば、「税」を分割する方式をとることが可能かどうか
出典:総務省 「ふるさと納税研究会」報告書
誤解その2 ふるさとは、生まれ故郷でなくてもいい
ほとんどの人が、ふるさとと聞くと生まれ故郷だと思うだろう。
しかし、ふるさと納税で定義するふるさとは、生まれ故郷、出身地でなくともよい。
そのため、日本中あなたの気に行った地域を選んで寄附すればよい。
もともとの、ふるさと納税の発端は、地方の出生地で育ち、都会で働く人は、都会へ住民税を納付している。
出生地へ恩返しするカタチで、ふるさとに住民税を納付してもらおう、ということだった。
しかし、転勤族で地方を転々としている人のふるさとはどこか?、などふるさと=出生地と一様に定義できないため、あなた自身の判断で”ふるさと”と思える地方・地域を決めてよいことになったのだ。
誤解その3 実質2000円の負担で地方グルメが取り寄せ放題?
メディアなどで「実質2000円負担で、地方自治体から特産品を取り寄せ放題」などと聞いたこともある人がいるだろう。
しかし、あなたが実質負担する金額は、あなたの所得次第で変わってくるので一概にはいえない。
年収500万 所得税率10% の人の場合を例にしてみよう。
この場合、2万円寄付すると、税金が1万8千円戻ってくる。
実質2000円の負担で、地方自治体から2万円相当の特産品をもらえることになる。また、3万円寄附したら、税金は2万8千円戻ってくる。
実質2000円の負担で、地方自治体から3万円相当の特産品をもらえることになる。しかし、4万円寄付すると、税金は3万900円しか戻ってこない。
実質9100円の負担で、地方自治体から4万円相当の特産品をもらえることになる。
このように、実質2000円負担で、地方グルメが取り寄せ放題でない点に注意しよう。
寄付金には上限はないが、寄付金の金額次第では、その人の所得に応じて、実質負担分が変わってくるのだ。
会社にお勤めの方は、自身の課税所得を算出するという作業をやったことがない人がほとんどだろう。
そのため、ふるさと納税が、会社勤めの人に、普及しにくくなっているのかもしれない
まとめ
・ふるさと納税は、寄付をすると、特産品がもらえて、税金も返ってくるお得なしくみ
・ふるさと納税は、納税ではなく寄附。余計に税金をとられる心配はない
・ふるさとは、生まれ故郷でなく、あなたの好きな地域をふるさとを寄附対象としてよい
・給与所得と寄付金次第だが、実質2000円負担で、数万円相当の特産品がもらえる
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