SF映画の演出でよく見られる、突如として空中に浮かび上がる映像。
その映像に映っているいる人物がしゃべり、テレビ電話としての役割を果たすことがよく見られます。
映画:マイノリティレポートでも、主人公が別れた妻を、空間に投影して恍惚に入る様が描かれていました。
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現在では、空中に映像を浮かび上がらせる「空間プロジェクター」の技術がどこまで実用化が進んでいるのか、調べてみました。
1.スクリーンレスの空中3Dディスプレイ
2014年10月にバートン(株)は、空中に文字や絵を映し出すことのできる「空中3Dディスプレイ」をデモンストレーションしました。
まったくスクリーンを使わず、空気中に”動く蝶々”の動画を映写しています。
室内だけでなく、日中野外など太陽光のもとでも、映像を移すことができるそうです。
仕組みは、空気中の分子にレーザー光を照射すると発光する性質を応用しています。
レーザーを照射された分子は、一瞬だけ強い光を放った後、もとの発光しない分子に戻ってしまいます。
このレーザー光を照射する装置も、普通乗用車に乗る大きさのため、いろいろな場所に出張し映像を提供することが容易です。
そもそも開発のきっかけは防災用途でした。
なぜこのディスプレイを開発しようと思ったかというと、震災があった時、文字を空中に書けたらいいんじゃないかという発想でした。それで、空気中にどうやって文字を書こうかと思った時に、プラズマ発光という現象を使おうと考えたところが他との違いです。
2.津波・地震などの災害情報を上空に表示させる
バートンは、今後この技術を応用し、津波・地震などの災害情報を上空に表示するシステムを現在開発中です。
出典:バートン
災害時の、避難場所情報や受け入れ許容人数、食料の配布場所や在庫、行方不明の人の安否と言った避難/災害情報を、音声放送と一緒に文字で空中に表示することで、情報の伝達を早めることができるでしょう。
3.スクリーンレスを応用した空中広告(エアーサイネージ)
また、街中の上空に空中広告(サイネージ)などを出す用途にも応用が期待されます。
出典:バートン
現在は、街中の看板広告など一線を画しているためインパクトは絶大です。
他にも、今後の実用化の可能性としては、
お化け屋敷で、お化けや幽霊を空中映写すると、よりリアルで怖いお化け屋敷となりそうです。
打ち上げ花火に、空中へのデジタル花火映写を加えると、今までにない神秘的な演出が可能になるかもしれません。
また、プラネタリウムなどもより星空を見上げる感覚でなく、星空の中を体感できるようになるでしょう。
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